dog.02 舞台裏

第一章

今日もどこかの国から来た不安そうな新入りが、
静かに裏の箱に入れられる。
何かを注射で打たれたのち、表の透明の箱へ移動だ。
そして、大勢の人間たちが私たちをくまなく見つめる。

気に入った子がいたら、ご指名だ。

店員にお客の元まで連れて行かれ、
私たちを散々、もて遊んだ後、
「やっぱー、かんがえますー」
と、あっさり捨てられる。

でも、ご指名を受けるだけ幸せなのだと分かった。
私の下の箱にいる、まつげが長い柴犬の柴姉さんなんか、
もう来て3ヶ月目だそうだ。
「最初はあんたみたいに、ご指名を沢山貰ったさ。
 でも私が大きくなるにつれ、みんな離れていったよ。
 値段も場所も段々と下がり、今ではえさをくれる店員の目も厳しいよ。
 結局、あんたみたいなトイ・プードルばかりが、もてはやされてさ!
 フランスに帰れ!!
 柴犬こそが日本犬の、、ワウ、ワウー!ワン!ワン!!」

お隣さんは私と同じトイ・プードルなのだが、もう3ヶ月目だ。
私は彼をミミさんと名付けている。
「やっぱ、おまえも俺の耳が気になるか、、、
 なんでこんなコーギーみたいに耳が立っちまうんだ。
 まだ分からなかった子犬の頃にご主人様を見つけておくべきだったぜ。
 自分の運命を呪うよ。
 たぶん俺の母さんはコーギー野郎にやられ、、クゥゥン!クゥーン!」

早くご主人様を見つけなくては。

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