dog.025 白いゲート

第一章

覚悟が芽生えたと同時に、
嵐のような怒号の共振は、突然収束した。
もうだれも私には興味が無くなり、そこにはかつての日常があった。

もう私はここにいてはいけない。

それは自分のためでもあり、みんなのためでもあった。

規則正しく並ぶ商品ケース。
トイレ、水飲み、毛布。
寝てしまったミミさん、毛繕いをする柴姉さん。
全てに感謝を込めて、、、私はゆっくりと背を向けた。

私が静かになったとみて、店外へと歩き出した色黒旦那、、、いや、
あの場所から救い出してくれた、私のご主人様。
たとえ犬嫌いだろうとなんだろうと、
われわれ犬という生き物は、心臓が止まる最後のいち鼓動まで、
一生の忠誠をご主人様に誓います。
この先、私たちに何があろうとも、、、

自動ドアをくぐり、まだ見ぬ未知の世界へと踏み出した。
蛍光灯の光しか知らぬ私の体を
まばゆいほどの太陽光が包んでゆく。
白く、ゆっくりと、時が戻るように、、、

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